北海道に生息する「マダニ」は5種!マダニの被害に合わない為の方法とは

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数年前から日本では「マダニ」による被害が増加しており、夏が近くなるとニュースに取り上げられる機会も増えてきています。マダニは「暖かい場所にいる」というイメージも強いですが、北海道でもマダニによる被害は増加してきています。

そこで今回は、北海道におけるマダニの被害と、マダニが引き起こす感染症について解説していきたいと思います。


北海道でも「マダニ」の被害に注意!

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Photo credit: Carly & Art on VisualHunt / CC BY-SA

マダニと言えば本州での出来事のように感じますが、北海道内でもマダニによる被害は発生しているため、決して油断はできない状況になっています。

マダニは自然環境が整っている場所を好み、特に森林には多く生息しています。また、北海道では鹿が生息する場所に多く生息している可能性が高いです。

ただし、市街地においても「公園」や「庭」「畑」「あぜ道」など、自然がある場所にはマダニが生息している可能性が高いです。当然、草むらのあるドッグランなども注意が必要となります。

マダニの活動時期

基本的には春から秋にかけて活発に活動し始めるマダニですが、実は冬にも活動する種類がいるのだとか。マダニは夏に活動するイメージが強いですが、冬も油断できないということです。

また、マダニに噛まれたことで発症する「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」の患者は、5月〜8月にかけて一気に増加することでも知られます。SFTSは、近年の感染例が増加しているため、特に注意が必要な感染症のひとつです。

マダニは暖かくなると活動的になりますが、北海道でも近年、マダニの被害が多発している理由には、温暖化の影響もあるのかも知れません。

温暖化で北海道の気温も上昇

北海道の気温も温暖化のせいか、年々暖かくなってきているように感じます。それは決して気のせいではなく、札幌管区気象台からの発表で、北海道内の平均気温が過去100年間で約1.6℃も上昇しているという報告がありました。

このデータによると、札幌の平均気温は2.4℃の上昇、旭川では1.9℃の上昇、函館は1.6℃の上昇といったデータが出ており、この7地点を平均すると1.6℃の上昇となります。

因みに、日本平均では1.2℃の上昇となっており、北海道の温暖化は日本平均よりも高い上昇率であることがわかりました。

マダニが活発に動き出す気温は、15℃が目安となります。こうした温暖化の影響とマダニの関係がイコールになるかはわかっていはいませんが、少なからず影響は与えているとの見方がされています。

マダニが媒介する感染症「SFTS」とは

「SFTS(Severe fever with thrombocytopenia syndrome )」とは、中国で2011年に報告されたダニ媒介性感染症で、「重症熱性血小板減少症候群」とも呼ばれる感染症です。

それまでは主に中国と韓国で感染例が報告されていましたが、日本で初めて人への「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」が確認されたのが2013年1月のこと。

その後、猫から人への媒介や、飼い犬から人への媒介も認められるようになりました。

北海道でも油断はできない

統計で見ても、2016年11月時点で全国で226症例(内、52人の方が死亡)、2018年2月の時点では319症例(内、60人の方が死亡)と、着々と感染が拡がっていっているのがわかります。

北海道内においてはSFTSの感染は確認されていませんが、冒頭でも触れた通り、北海道でもマダニによる被害が確認されているため、いつ北海道でSFTSが確認されてもおかしくはない状況です。

北海道のマダニが引き起こす人への感染病

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Photo credit: Günter Hentschel on Visualhunt / CC BY-ND

北海道でSFTSが確認されていないからと言って、決して安心することは出来ません。

北海道に生息するマダニが引き起こす病気にもいくつかの種類がありますので、病気ごとに解説していきたいと思います。

ダニ媒介性脳炎(フラビウイルス)

  • 北海道内での感染件数:4件
  • 感染が報告されたエリア:札幌、函館、渡島地方
  • 感染経路:ウイルス保有のマダニによる吸血。
  • 潜伏期間:7日〜2週間
  • 治療方法:症状に応じた対症療法
  • 予防接種:16歳以上の希望者を対象とした予防接種があります。(有料)

【中央ヨーロッパ型脳炎】

頭痛、発熱、筋肉痛など、インフルエンザに似た症状を発症し、そのうち約30%は髄膜脳炎、痙攣、目眩、知覚異常などの症状も。
致死率は1〜2%ほど。

【ロシア春夏脳炎】

頭痛、発熱、悪心といった症状が見られたのち、髄膜脳炎へと進行。致死率は20%と高く、回復しても神経に後遺症が残る場合も。

北海道内のダニ媒介性脳炎の被害は、これまでで4件確認されており、最初に確認された被害は平成5年(渡島地方)のことでした。その後は「平成28年8月(札幌)」「平成29年7月(函館)」「平成29年8月(札幌)」と、近年で連発していることがわかります。

また、エリアに関しても函館〜札幌間という広さですので、道北とまではいかなくとも、道南・道央は特に注意が必要になってくるでしょう。

感染した羊などの未殺菌乳を飲んだことでも感染が確認された例もありますが、人から人への感染はありません。

ライム病(スピロヘータ)

  • 北海道内での感染件数:34件(2013年〜2017年)
  • 感染が報告されたエリア:札幌、函館、旭川、釧路、稚内など北海道全域
  • 感染経路:主にシェルツェマダニによる吸血。
  • 潜伏期間:3日〜16週間
  • 治療方法:抗菌薬による治療
  • 予防接種:なし

ライム病はズーノーシス(人畜共通感染症)のひとつ。発病後1ヶ月以内に「遊走性紅斑」が見られ、インフルエンザに似た症状を発症。その後中枢神経系の症状が見られ、意識障害などのほかにも心疾患や眼症状などの症状が見られる場合も。

国内では例が無いものの、慢性疾患に陥る場合も。2007年に1件のみ、死亡例が報告されています。

回帰熱(スピロヘータ)

  • 北海道内での報告件数:2件(感染自体は海外での感染)
  • 感染が報告されたエリア:
  • 感染経路:シュルツェマダニの媒介による感染、ダニ、シラミにも媒介
  • 潜伏期間:12日〜16日
  • 治療方法:抗菌薬による治療
  • 予防接種:なし

発熱と無発熱を繰り返し、発熱期には頭痛や関節痛、咳などの症状が見られます。また、脳炎や髄膜炎といった症状が見られる場合もあるようです。

無発熱の時期は血中からも菌が検出されず、1週間ほど経つと再び発熱し始めます。致死率は、適切な治療を行わない状況下で5%未満。日本ではここ数十年間、感染の報告はありません。

北海道に生息するマダニの種類

マダニはなんと800種類以上も存在し、日本国内でも47種類ものマダニが生息しています。そのうち、北海道に生息するマダニは下記の2属5種です。
気持ちが悪いので画像は小さめにしました(すいません笑)。

マダニ科マダニ属

シュルツェマダニ

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By LamiotOwn work, CC BY-SA 3.0, Link
  • 生息地:北海道〜東北、中部山岳地帯
  • 体長:オス 2.5mm、メス 3.2mm

6月〜7月に被害が集中。哺乳類以外にも、鳥類にも寄生。「ライム病」の媒介や、「ダニ媒介性脳炎(フラビウイルス)」を媒介することで知られます。

後述する「ヤマトマダニ」とは、道内のほぼ同域に生息しますが、シュルツェマダニは渡島・檜山地方に生息しているのは稀のようです。

タネガタマダニ

  • 生息地:北海道南部〜九州
  • 体長:オス 2.5mm、メス 3.2mm

「シュルツェマダニ」の近縁種で、メスが満腹に吸血した後は7mmもの大きさになるようです。

ヤマトマダニ

  • 生息地:北海道〜鹿児島
  • 体長:2mm〜3mm

こちらも「シュルツェマダニ」の近縁種。シュルツェマダニと同域に生息しますが、ヤマトマダニは利尻や礼文などの寒冷地に生息するのは稀とのこと。

また、これまでヤマトマダニはライム病を媒介しない種として考えられていたようですが、2014年に台湾でライム病を引き起こす細菌を持つヤマトマダニが発見されたようですので、油断は出来ません。

マダニ科チマダニ属

フタトゲチマダニ

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By CommonsourceOwn work, CC BY 3.0, Link
  • 生息地:北海道〜沖縄
  • 体長:3mm(写真は吸血後のメスで10mmほどの大きさに)

5月〜10月に活動。「日本紅斑熱(リケッチア)」「Q熱(リケッチア)」「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を媒介する事で知られます。

キチマダニ

  • 生息地:北海道〜沖縄
  • 体長:3mm弱

日本各地、ほぼ1年中活動する種で、イヌマダニとも呼ばれるのがこの種。野うさぎに吸血するのが多く、東北地方では「野兎病」を媒介する種としても知られます。

マダニのライフサイクル

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Photo credit: fairfaxcounty on Visual Hunt / CC BY-ND

マダニは常に吸血を繰り返しているイメージもありませんか?実は、マダニが吸血するのは生涯で3回だけ

マダニのライフサイクルは「幼ダニ→若ダニ→成ダニ」の3段階で成長するのですが、この3つの段階毎に1度ずつ吸血を行います。

スタートとなるのがメスから産卵された卵で、最大4,000個もの卵を地上で産むのだそうです。その後、卵が孵化することで「幼ダニ」に。その後は、木や草に潜んで動物に寄生するタイミングを待ちます。

幼ダニ→動物に寄生→吸血→地上に落下→脱皮→若ダニ

若ダニ、成ダニも同じサイクルで成長し、最終的にメスは成ダニになってから吸血後、地上に落下して産卵していくというライフサイクルになります。

主に鹿が寄生先に

北海道では主に鹿がマダニの寄生先となりますが、犬や猫もまた、マダニの寄生先となります。また、犬の体へと寄生し、吸血し終わるまでには約1週間も寄生したままとなります。

そして、マダニに噛まれたことで引き起こされる感染症の中には、人だけでなく犬も同じく感染する感染症が存在するため、注意が必要です。

北海道でのマダニ対策

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Photo credit: insightpest on VisualHunt.com / CC BY-SA

具体的に北海道でマダニ対策を行う際には、どのようにしたら良いのでしょうか。

札幌市のホームページで見ると、

  • 長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用しましょう。
  • 首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくしましょう。
  • シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れましょう。登山用スパッツを着用するとより効果的です。
  • 上着や作業着は、マダニを目視で確認しやすい明るい服がお薦めです。
  • 上着や作業着を脱ぐ場合は、家の中に持ち込まないようにしましょう。また、体にマダニが付着しないように注意して脱ぎましょう。
  • 屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認してください。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部、髪の毛の中等がポイントです。
  • DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には、服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があるといわれています。
    ※あくまでも補助となりますので、使用の際は他の対策と組み合わせて御活用ください。

以上がマダニに咬まれないための対策の一例となります。ただし、これはあくまで「飼い主さん」のマダニ対策となります。

人には人の、犬には犬のマダニ対策がありますので、それぞれ対策を講じる必要があります。

万が一、マダニに咬まれたら?

犬を飼っている方であれば聞いたことがあるかも知れませんが、マダニに咬まれてしまった際には、自分で処理せずに、早めに医療機関へ駆け込みましょう。

マダニが吸血している時は皮膚に口器(頭の部分)が刺さっている状態であるため、無理に取ろうとすると体がちぎれてしまいます

単にちぎれるだけなら良いのですが、残った口器部分からマダニの体液が逆流し、血中に流れ込んでしまうため、大変危険です。(感染症を引き起こします)
マダニに咬まれているのを発見した際には、人も犬も関係なく、すぐに病院に行って処置してもらうようにしましょう。

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minotake office代表 北海道札幌市でペット用品販売を行っています。

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